Linux 4.5-rc6がリリースされました

リーナスのロサンゼルス時間で昨日(2/28)の朝9時、日本時間では今日(2/29)の午前2時に
Linux 4.5-rc6がリリースされました。


いつも通り、リーナスのアナウンスメールを翻訳してみました。


なお、要約すると以下のとおりかと思います。

  • rc6にしては差分量が多い
    • ただし、心配していた問題は解決している
  • ネットワークドライバのヘッダファイルに3000行弱の差分があり、diffstatの中で浮いている
    • 構造体の中の予約フィールドをリネームしただけの差分なので気にしないでくれ
  • diffstatのその他の統計はいつも通り
  • 事態は通常のリリースタイミングで順調に進んでいるが、来週どのような事態になるかは注目しておいてほしい
    • rc7が落ち着いてこないようであれば、rc8のリリースも判断しなければならない
    • 現状、特にゾッとすることは起きていないが、今週はもっと穏やかであった方が良かった

以下のとおりに翻訳してみました。

私はrc6は小さくあってほしいと願っていた(rc6としては差分量が多い)。ただ
し、Kirillが見つけ、このリリースサイクルにおいて我々を悩ませていたTHP
cleanup問題は解決したので、安堵はしている。だから、あまり文句は言えな
い(文句は無い?)。加えて、また別のゾッとするバグレポートが、全くカーネ
ルのバグでは無く、マイクロコードの問題であった事でもホッとしている。両
方共、より悪いかもしれない(悪くなるかもしれない?)が、少なくとも我々が
何かをしたことによる問題ではない(また、今では、回避できることも知られ
ている)。


現時点のdiffstatは、インクルードディレクトリとして見せている項目で、ネッ
トワークドライバヘッダファイルの一つに全体の変更点の40%ほどの大きいパッ
チがあるため、奇妙に見える。しかし、そのパッチは単に構造体の予約フィー
ルドをリネームしただけで、実質的にはコードに変化はない。(*1)


奇妙さは置いておくとして、diffstatの統計値については、全く普通に見える。
大部分はドライバ(ネットワークとUSBが支配的だが、いくつかのGPU、サウン
ド、ACPIの修正もある)、そして、通常のアーキテクチャ更新(ARC、ARM、x86)
といくつかのコアネットワークがある。また、いくつかのperfの作業と少しの
ファイルシステム修正(NFSDAX、いくつかのコアVFS)がある。


事態は通常のリリースタイミングで順調に進んでいるが、来週のどのような事
態になるかは注目しておこうと伝えたい。もしrc7で修正が落ち着いてこない
ようであれば、最終的にrc8もリリースすることを判断しなければならないか
もしれない。ただし、まだなんとも言えない。特にゾッとするような事は起こっ
てはいないが、今週はもっと穏やかであったほうが良かった。


各詳細を概観したい人のために、いつも通り、rc6のショートログを添付した。


リーナス


(*1):
4.5-rc5から4.5-rc6の間の変更点の中で、
include/linux/mlx5/mlx5_ifc.hに3000行弱の差分があるため、
diffstatで相対的に他の差分が小さく見えてしまっている事を言っています。

以下で確認できます。
https://git.kernel.org/cgit/linux/kernel/git/torvalds/linux.git/diff/?id=v4.5-rc6&id2=v4.5-rc5&dt=2

最後に

これまであまり時間を意識していませんでしたが、
今後は翻訳にかかった時間を測ってみたいと思います。


なお、ちゃんと測ったわけではないですが、
今回は1時間と15分くらいかかりました。
また、前回は、量が少なかったからか30分ほどで終わった気がします。